北朝鮮の医師は、現地のハーバリスト(伝統医学の医師)と共謀して患者を集め、採血すらすることなく、たった1、2分の検査で診断。あたかも重い病気であるかのごとく説明し、高価な医薬品を高値で売りつける行為を繰り返していたという。
北朝鮮の医師は、かつてはモラルの高さで知られていた。医療機器も医薬品が慢性的に不足する中、彼らの技量と職業的使命感だけが庶民らの命の支えだった。しかしそれも、あまりの境遇の苦しさの中で変質してしまっているのだろうか。手術をするのに麻酔薬すら使えないほどの苛烈な状況の中では、彼らだけに「まともであれ」と求めるのも無理なのかもしれない。
(参考記事:【体験談】仮病の腹痛を麻酔なしで切開手術…北朝鮮の医療施設)(参考記事:北朝鮮の医大生、学費と生活費を稼ぐため「中絶手術」のバイト)