そのうち2000ドルを国に上納し、残りの3000ドルが取り分だ。北朝鮮の国営企業で働く一般労働者の平均月給は1ドルだ。つまり、一ヶ月で平均月給の250年分を稼ぐ計算になる。これを資金として、平壌のマンション建設に10万ドルを投資するサイバー戦士もいるという。
(参考記事:海外で大もうけする北朝鮮のハッカーたち…平壌マンション建設に投資も)もちろん、彼らも本国へ上納するだけでなく、稼いだ一部はこっそり貯め込んでいるはず。さらに、海外にいることから、国際情勢や北朝鮮の置かれている状況なども把握している。つまり、北朝鮮のハッカーたちは、今回の亡命事件のように、いつ北朝鮮を離れてもおかしくない脱北予備軍ともいえる。冒頭に述べた韓国に亡命した軍幹部の亡命ルートは不明だが、彼の所属していた偵察総局は、まさにハッカーたちを統括すると見られている組織なのだ。
(参考記事:北朝鮮レストラン従業員ら13人が集団脱北)かつては、脱北者イコール「貧しさに耐えきれず北朝鮮を離れた」というイメージがあった。しかし、今回、韓国入りした北朝鮮レストランのウェイトレスたち、そして偵察総局に所属していた軍幹部は、決して貧しいわけではない。