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韓国の情報機関から流出した文書を元にした、ジャーナリストの三城隆氏による現地レポートは貴重な手掛かりを与えてくれているが、米国当局などから追及を受け続けている「秘密資金」は、絶えずタックスヘイブンなどを移動し、相当部分の存在が隠蔽されている可能性がある。

(参考記事:北朝鮮外交官はなぜ金塊を密輸したのか!? 欧州に眠る「金正日秘密資金」を追う

もっとも、金正恩氏は父・正日氏から「秘密資金」のすべてを受け継いだわけではないかも知れない。「秘密資金」の原資となっているのは武器取引や違法薬物の密輸、偽バイアグラなどの密売収益だが、そうした裏ビジネスを担ってきた幹部らが、カネをネコババして韓国などに亡命しているのである。

(参考記事:金正恩氏の「バイアグラ資金」が盗まれている

背景には言うまでもなく、正恩氏による「粛清の嵐」がある。

(参考記事:「家族もろとも銃殺」「機関銃で粉々に」…残忍さを増す北朝鮮の粛清現場を衛星画像が確認
(参考記事:「金正恩氏は感情で処刑」情報機関の心理分析

裏ビジネスを担う外交官たちは、もともとは北朝鮮でもトップクラスのエリートたちであり、自らの手を汚さざるを得ないことに大きなストレスを感じているとも言われる。