米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えたところによると、北朝鮮当局が訪朝する中国の行商人への監視を強化。さらに対北朝鮮制裁の話を北朝鮮住民に伝えた中国人が連行、追放されるという事件が起きた。それだけでなく、北朝鮮で生まれ育った中国国籍の華僑に対するビザ審査なども厳しくなっている。どうやら北朝鮮当局は「華僑が北朝鮮に良からぬ情報を持ち込んでいる」と見ているようだ。
(参考記事:北朝鮮、秘密警察が中国商人を国外追放したワケ)(参考記事:北朝鮮、在住華僑への締め付けを強化)
そもそも、北朝鮮の今回の核実験と長距離弾道ミサイルの発射実験は、よく言われるように「米国を対話の場に引き出す」ことが目的ではなく、中国が主たるターゲットだと筆者は見ている。友人として手を差し伸べるふりをしながらも、決定的な局面では、冷たい態度を取ってきた中国を「出口なき核のゲーム」に引きずり込もうというわけだ。
(参考記事:北朝鮮のミサイル発射のターゲットは中国か)ここ最近、北朝鮮の論調は、米韓、とりわけ韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領への反発が目立つせいが、中朝関係に対する注目度はそれほど高くない。しかし、繰り返すが金正恩体制の命運を握っているのは中国である。