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そこで、住民登録課の副課長とグルになって、今までの家族の記録をすべて抹消し、本人は労働者の息子で、大学を出て、軍隊でも職場でもまじめに働いているとの書類を偽造した。副課長は日本円で5万円のワイロを受け取った。今ではワイロの相場が1000ドル(約11万3000円)まで上がっている。

個人の住民登録に関する書類は、必ずバックアップを取ることになっており、慈江道の前川(チョンチョン)郡にある秘密アーカイブに収められている。戦争が起きて、各役場に配置された記録が失われることに備えた措置だ。当局の執念を感じさせるが、住民統制は戦争ではなく、カネの力で崩れつつある。