拷問されながらも神を否定することができずに死んだ17歳のコチェビの話や、監獄で人間以下の待遇を受け、中国に脱出した信者の話は、人に根本的な懐疑心を抱かせる。宗教を信じたという理由一つで人を拷問して殺す現実は受け入れ難い。
しかし、それにもかかわらず宣教師たちの働きと地下の信者たちの礼拜は続いている。聖書が不足して手で書き写し、中国で最大限、聖書の内容を頭に入れようとする北朝鮮の信者たちの話は命がけだ。彼らは御言葉に飢えているという理由で、命をかけて聖書を探す。
教会に聖書があふれているが、読みたいという欲望をあまり感じることがない大部分の韓国の信者たちにとって「赤いクリスチャン」は衝撃的だ。
40編以上の証言は、信仰、御言葉、苦難、生命、希望、祈りの6つの主題に分けられている。特に最後の6部「祈り」の章は、信者たちの共通した祈りの題目をまとめている。祈祷文には北朝鮮の地下教会信者たちが、いつの日か自由に礼拜することができることを切に望む内容が記されている。
北朝鮮に実際に地下教会があるのか、半信半疑の人々、宗教弾圧が事実であるのかまだ分からない人々にぜひ読んでもらいたい本だ。ローマ時代に迫害を受けた人々を、現代に見ることができるだろう。