殺人や拷問などありとあらゆる人権侵害が横行する北朝鮮収容所の現況からすると、核実験施設の強制労働もさもありなんだ。そもそも、北朝鮮当局からすれば政治犯は「敵対勢力」であり、強制労働させても放射能で被ばくさせても何ら罪の意識を感じないようだ。看守たちも「収監者は殺してもいいという教育を受けているため、政治犯の放射能被ばくなど気にもかけない」という。
さらに、核実験場という性格上、建設は秘密裏に行われるため一般住民は動員しづらい。確かに政治犯ならよほどのことがない限り情報は漏れず、万が一のことがあっても隠蔽しやすい。
また、アン・ミョンチョル氏の指摘にあるように、第1次核実験の時から従事させられているため、坑道の採掘作業に慣れているという事情もあるようだ。労働者たちは核実験場の坑道を掘る工事に加えて、実験終了後は周囲の除染作業もしなければならない。