連載・日本の対北朝鮮情報力を検証する/自衛隊編(1)

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朝鮮ウォッチャーが北朝鮮情勢を分析する上で欠かせない要素が、党や人民軍の高官の動きだ。要人が死亡した際に公表される葬儀委員会名簿での序列も大事だが、最も重要なのは、北朝鮮メディアが伝える金正恩の現地指導に、どの幹部がどれだけ随行しているかをカウントすることだ。

随行回数は金正恩との近さを表し、回数が多いほど政治的なパワー持っていることを意味する。 このような手法はOSINT(オシント=Open Source Intelligenceの略)と呼ばれ、分析に要する情報の9割以上を公開情報(Open Source)から収集する。北朝鮮のような「情報鎖国」、それも秘密のベールに包まれた権力中枢の動きを知る上で欠かせない情報活動だ。

「情報コミュニティ」の中心は内調だが…

では、同じ手法を日本に用いると何が見えてくるか。 下表は朝日新聞の「首相動静」(2015年分)から、日本の情報機関よる首相への報告回数を抜き出したものだ。これを見れば、日本の情報機関の中でどこが“最強”であるかが一目瞭然となる。