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「私たちは実習生なので、給料はもらっていない。奨学金の形で生活費を少しもらっているだけ」

彼女たちの大多数が大学生ということもあり、奨学金という名目で受け取っているようだ。

女性によると、従業員の中には大卒者もいれば、在学生もおり、勤務期間は決められていない。1年で帰国するケースもあれば、3年に及ぶこともある。レストランでの「実習」を終えなければ、正式な卒業証書がもらえない。

卒業するためには海外の北朝鮮レストランで実習を受けざるを得ないようにして、給料を払わないのは明らかに人権侵害だとの指摘だ。

北朝鮮レストランの事情に詳しい中国の情報筋によると、かつては平壌産業大学の卒業生を「奉仕員」の資格で派遣し、多少なりとも一定額の給料が支払われていたが、給料を支払いたくない当局の思惑で、実習生が派遣されるようになった。

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また、実習生が派遣されるもう一つの理由は「海外の北朝鮮レストランでの勤務が以前ほど人気がなく、人員が不足している」(情報筋)というものだ。

元々、北朝鮮レストランの従業員は、高級幹部やトンジュ(金主、新興富裕層)の娘が多かったのだが、「何年も国を空けると婚期を逃す」と考える親が多く、娘を海外にやろうとしないという。

そこで、北朝鮮当局は卒業証書と引き換えに大学生をタダ働きさせることで、人手不足と外貨不足を一手に解決しようとしているようだ。これに対して「新たな形の人権侵害だ」との指摘もあるが、日本、米国、韓国でも新卒生をインターンとして雇い、無給で働かせる事例が横行しているため、「同じ穴のムジナ」と言われかねない状況だ。