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「1980年代以降も、若い女性を中心にたくさんの女性たちが『5課対象』として連れて行かれた。外部に公開されていないが、対南工作や特殊任務の遂行中に死亡した男性の未亡人たちが選ばれたこともあった」(慈江道の情報筋)

ここ最近は、北朝鮮の対南工作と特殊任務が激減したこともあり、こうした未亡人も減った。しかし、任務中に死亡した男性の残された妻が、5課対象として選ばれることに住民からは「国のために死んだ英雄を侮辱している」という非難の声があったという。

「北朝鮮当局は、住民の非難の声が出ることを考慮して死亡した功労者の妻ではなく、離婚した若い女性から「5課対象」を改めて選ぶようになった。選抜対象になると、まずは中央で厳格な身体検査と人物審査を経て、はじめて『5課対象』として最終的に決まる」(慈江道の情報筋)

5課対象に確定されると、本人の意思による選択の余地はない。選ばれた女性たちは幹部たちの「召使い」や身の回りの世話をさせられることから、北朝鮮住民たちも否定的な見方を示していると情報筋は付け加えた。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記