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上記のように、北朝鮮においても児童を性の対象とすることは違法である。しかし、恐らくそれだけだ。下記の参考記事のように、事件が発覚すれば捜査と処罰が行われるが、男性中心の社会的雰囲気の中で声を上げることもできない被害児童へのケアなど、行政的な取り組みとしては存在しないだろう。

ちなみに冒頭の朝鮮中央通信の論評は、日本政府が北朝鮮の人権侵害を追及する国連決議案の作成に関わっているため、けん制球のつもりで投げつけられたものだ。であれば、日本政府はそれをいったん受け止め、「剛速球」で投げ返してほしい。

国連の場で、北朝鮮の児童の人権状況が重要な問題として扱われ、国際社会の注目が集まることを望む。

【参考記事】

北朝鮮で児童への性犯罪が深刻…「表面化していないだけ」

第三国滞在中の脱北者の性犯罪被害が深刻

北朝鮮で孤児院教師が少女17人を性的虐待

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記