「外国で働いたこと自体が、党の信任が厚いことの証明になる。だから結婚をする際にも、良い嫁ぎ先が回ってくるんです」
日本や韓国とは比較にならぬほど物資の乏しい北朝鮮だが、国内では格差拡大が進行しており、「ある所にはある」のが実情であるのは本書の各記事で報告している通りだ。
両親とも医師だという朴さんのような女性ならば、国内の「勝ち組」に加わり、それなりに満たされた人生を送ることも出来よう。
その一方、女性接待員らが中国で失踪する事件が起きているのも事実だ。
故郷での「約束された幸福」を棒に振ってでも自由を求めようとする彼女の行動は、北朝鮮の社会にどのような気風が生まれつつあることを意味しているのだろうか。(連載おわり)
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