ただ、08年10月の「リーマン・ショック」直後には、そうした営業戦略があだとなったこともあった。ウォンの為替レートが急落し、韓国人の海外旅行が一時的に縮小。閑古鳥が鳴き、撤退や休業を余儀なくされる店が相次いだのだ。
現地の平均的な飲食店に比べ、かなり強気な価格設定の北朝鮮レストランは、景気が少し悪くなっただけで敬遠されるリスクがある。それは現地の人々だけでなく、「手軽な旅」を楽しみに着ている海外旅行客に関しても言えることだ。
それでも、北朝鮮レストランがしぶとく生きながらえているのは、ひとえに「接待員」と呼ばれる女性従業員たちの個性的なキャラクターと奮闘があればこそだ。(つづく)
(取材・文/ジャーナリスト 李策)