仮に設備購入の予算が確保できでも、次に「電力確保」という最重要課題が残る。多くの病院内の電気設備は老朽化が進んでおり、地方ではまともに供給すらされない。手術を行うには、ソーラー発電機とバッテリーが欠かせないが、これも無料ではない。
金正恩氏が、いくら「現代化」とスローガンを叫ぼうとも、多くの問題が山積しているため、どこから手を付けたらいいのかわからないのだ。予算もない。かといって最高指導者の指示を無視するわけにもいかない。困り果てた病院は、ついに医者から金を集めだした。
中絶手術の代金は「ディーゼル油」
南浦(ナムポ)の情報筋によると、「市内の病院が『忠誠の資金』と称して医者に外貨を差し出すように言い出した」という。