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北朝鮮は22日、前線地域の砲兵部隊が地下壕から地上へ出て臨戦態勢に突入。非武装地帯(DMZ)内に野砲を搬入する動きも見せていた。

米韓も戦闘機8機の編隊で示威行為を行うなど、反撃の意思を明確に示している。また、韓国側は地雷が爆発し、自国兵士らが吹き飛ぶ瞬間の映像を公開している。すでに多くの国民がそれを見ているだけに、北朝鮮側の謝罪なしに引きさがることは難しい。

北朝鮮の金正恩氏も、韓国側に政治宣伝放送を止めさせなければメンツが立たないだろう。

そんな中、朝鮮中央通信など北朝鮮メディアが一連の動きを、異例の速さで報道しているのが目を引く。また、北朝鮮メディアは通常、韓国を「南朝鮮」と呼んできたが、今回は「大韓民国」と正式名称で呼んでいる点も注目される。

対話の相手に一定の敬意を表すことで、危機打開に向けた意思をアピールしているのかもしれない。

高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記