そんな脱北女性たちが、唯一「スリムにしたい」と切実に願うのが立派な「二の腕」である。
「韓国に来てびっくりしたのが、ノースリーブの女性たち。どうして、あんなに腕が細いのかと。脱北女性は、太い腕にコンプレックスがあるのでノースリーブは着れません」
そう語るのは、ある脱北女性。なぜ、彼女たちの二の腕は筋骨隆々なのか。北朝鮮の女性たちは、北朝鮮当局から指示される労働に加えて、市場でも戦闘員のごとく、働かなければ生計が成り立たない。交通手段もそれほど発達していないため、たくさんの重い荷物を腕で持ち上げて運ぶことから、自ずと「二頭筋」が発達するのだという。
さらに、彼女たちの二の腕は、長年にかけて育んだ「生きた筋肉」だけに、韓国に来てもなかなか落ちないのが最大の悩みの種。