MERSで死者2名 「初動対応不備」で韓国政府に高まる批判

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韓国の保健福祉省は2日、中東呼吸器症候群(MERS:マーズ)感染者の2人が死亡したと発表した。死亡したのは2次感染者で、3次感染者の2人も確認されている。感染者は計25人に膨らむなか、韓国保健当局の初動対応に批判が高まっている。

MERSコロナウィルス(参考写真)
MERSコロナウィルス(参考写真)

韓国でMERS患者が発生したのは先月20日だった。

68歳の韓国人男性Aさんは、4月18日から5月4日までサウジアラビア、UAEなどに出張。帰国後に発熱と咳で今月15日にB病院に入院し、20日にMERSコロナウイルスの感染が確認された。この病院でAさんと接触のあった医療関係者や家族から2次感染者が発生した。

しかし、韓国の保健福祉省が民官合同対策班を立ち上げたのは患者発生から11日も経ってからだった。さらに、従来の感染症マニュアルにとらわれて「MERSは感染力が弱い」と接触のあった医療関係者と家族64人は自宅隔離の処置をとったが、隔離対象者以外からも患者が発生した。2次感染者17人のうち11人は当初の隔離対象から抜け落ちていたという。

Aさんと接触のなかった3次感染者も発生している。民官合同対策班は「この2人の事例は医療機関内での感染で、外には広がったと見るのは難しい」と語り、これ以上の感染拡大はないと見通したが、韓国国民の間では政府の後手後手の対応に不信感が広がっている。

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与党セヌリ党や医療関係者からも「保健福祉省の初期対応が遅れたためMERSが拡散した」「対応が場当たり的」「セウォル号沈没事故の教訓が生かせていない」など批判の声が上がっている。

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