具体的な罪名については解明を待たなければならないが、韓国の北朝鮮専門家の間では「玄永哲氏は、金正恩氏に反旗を翻したのではないか」という説が出ている。これについて北朝鮮軍の元高級幹部は次のように語った。
「玄永哲クラスの幹部を粛清すると軍隊が瓦解しかねない。それにもかかわらず処刑したということは、重大犯罪があったのかもしれない。人民武力部内に玄永哲の派閥ができたことから、見せしめで公開処刑をしたのかもしれない」
具体的な行動はなかったにしろ、玄永哲氏の些細な言動や不満が、北朝鮮軍を監視する「保衛司令部」や「労働党組織指導部」により発覚した可能性も拭えないと元高級幹部は指摘した。
「つい先日、人民武力部内に反体制勢力を鎮圧する親衛隊ができたが、そこが不穏な動きを察知したのかもしれない。張成沢派の残党を完全に粛清しきれていない状況のなかで、反体制的な動きを放置できないと金正恩氏が判断したのかもしれない」(北朝鮮軍元幹部)
一方、玄永哲氏は先月13日から20日までモスクワで開かれた国際安保会議に参加していた。訪ロで何らかの不手際があったのではないかという説もある。