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よく知られている話だ。モンゴルの征服者ジンギスカンの晩年の時代。誰かがジンギスカンに聞いた。「あなたはたくさん戦って、世の中で一番広い土地を征腹した。これまで戦った中で、一番困難だった相手は誰でしたか」

ジンギスカンが答えた。

「…それは、私自身だった」

中国がイギリスから香港を返還された後、晩年の鄧小平にある記者がインタビューした。

「あなたは革命と建国に成功した。文化革命の時に失脚したが、再起に成功した。改革開放で中国の人々の食べる問題を解決した。もう香港まで返してもらった。あなたの一生で、一番成功したことは何だったと思いますか」

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鄧小平はじっと考えて言った。

「…それは私が90歳を過ぎるまで働くことができたことだ」

ジンギスカンの答えが「ありふれた言葉」だとは思わない。鄧小平の答えは「唯物論者」のものに過ぎないと考えるわけにもいかないだろう。2人は正解を言ったのだ。自分に勝つことができなければ成功することができないだろう。健康は個人のあらゆる社会的活動のための物質的基礎になる。

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個人の一生と国家の一生は共通する点が多い。個人が成功しようとするには、肉体的に元気でなければならないし、精神的にも自己調節がうまくできなければならない。自己調節がうまくできるようになるためには、普段から自分自身(ego)をコントロールするスーパーエゴ(super ego)の能力を高めるために学習しなければならない。たくさん読んで深く考えて、現在、自分が知っていることを客観的に検証する努力を怠ってはならないだろう。

国家の成功は国をしっかりと守り、国民がよい暮らしができるようにすることだ。安保と経済、これが国家生存力の物質的基礎になる。安保と経済でうまく行うためにも、政府と国民は自己調節能力を高めなければならない。思想の水準が高まらなければならないのだ。自由民主主義や市場、法治、道徳、寛容に対する理解と社会的行為の水準が高くならなければならない。更に付け加えて、国家は対外関係が非常に重要だ。

要約すれば、政府と国民の思想的水準が高まり、国をしっかりと守って、国民がよい暮らしをして、他の国をきちんと支援できれば成功した国家になる。逆に、政府と国民の思想的水準が低く、安保が不安で国民が暮らすことができずに、他の国に助けてもらうことができなければ失敗した国家になるのである。

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それでは今、大韓民国の内部事情はどうだろうか。

もちろん絶望的だと言うことはできない。もし大韓民国の社会が絶望的であれば、地球村の3分2程度の国家は希望がないだろう。だが、困難な難題が私たちの前に置かれていることは厳然とした事実だ。

何よりも、北朝鮮が核を保有して私たちの安保が非常に不安になった。北朝鮮は「我々はもう核保有国」と言い、それにふさわしい待遇をしてほしいという立場をとっている。

金正日の核戦略のキーワードは「核保有国の地位」

金正日の核戦略は明瞭だ。アメリカと国際社会から核保有国と認められて、平和的核エネルギーも利用して、アメリカと関係改善もすることだ。その次に、在韓米軍の撤収と韓米軍事同盟の破棄を試みようというものだ。それが現実的に可能でなくても、その方向に向かおうとするのが金正日の戦略だ。今後北朝鮮は、時期と場所によって表現を異にする可能性はあるが、「先 米朝関係改善、後 核廃棄」の路線を追求するだろう。

北朝鮮は5~8基と推定されている、完成したプルトニウム核兵器を決して廃棄しないだろうし、アメリカが北朝鮮に、完成した核兵器の廃棄を要求したら、「朝鮮半島の非核化」の論理を持ち出して、「先 朝鮮半島平和体制論」、「米朝核軍縮交渉」で張り合ってくるだろう。濃縮ウラン核開発プログラムとパキスタン-北-シリアの核連携は否認し続けるはずであり、核申告の検証や核施設の不能化を言い訳にして、「先 軽水炉建設再開」などを要求するだろう。

黄長ヨプ元労働党国際書記などの高位脱北者や専門家は、金正日のこうした核戦略をずいぶん前から警告してきた。だが金大中-盧武鉉政権と、それに協調した非専門家たちがこうした警告を無視して、「北朝鮮の核は交渉用」、「北朝鮮の核保有は一理ある」というふうに対応してきたから、今こうした事態まで起こるようになったに過ぎない。

北朝鮮の核問題の本質は、アメリカや中国、日本の人々もすべて知っている事実を韓国内部だけで、それも金正日の核戦略の実体とは別個に、純然と韓国内部の政治的派党関係によってその真実が隠されてきた。この10年間、外国でこうした現象を客観的に見守ってきた人は、韓国社会で笑えないコメディーが演出されていたという事実をよく知っているだろう。

これまで韓国の内部では、金大中-盧武鉉を支持する人の間では(太陽政策が対北政策であっても違っても高?クに)太陽政策支持=(太陽政策を支持すれば北朝鮮の核戦略を知っていても知らなくても関係なく)北朝鮮の核は交渉用、北が核を保有するのにもわけがあるという主張も支持=したがって(社会がどのように進歩するのか知っていても知らなくても関係なく)私たちは無条件「進歩」という単純無識な等式が成立してきた。

こうした現状の延長線で、去年MBCテレビの捏造放送によって「アメリカの牛=狂牛=人間狂牛病」という単純なプロパガンダに巻きこまれて、まるでアフリカのヌーの群れのように同じ方向に駆け出して、狂牛病騒動を起こしたのだった。

政府がぼんやりしていれば政策もぼやけて、政策がぼやけていれば国民もぼんやりしてしまう。思想の水準が低い人たちが執権すれば、政策の水準が低くなるのであり、政策の水準が低くなれば、国家は失敗の方向に向かうことになる。これは歴史的に見ても万古不変の真理だ。

金正日式対外関係の足場はやはり「中国」

23日に、中国の官営新華通信と北朝鮮の朝鮮中央通信が、金正日が胡錦涛国家主席の親書を持って訪朝した王家瑞共産党対外連絡部長に接見したと報道した。北朝鮮と中国の官営メディアは、写真も数枚公開した。金正日は王部長との面談で、「北朝鮮は朝鮮半島の非核化のために努力している」と言い、「朝鮮半島情勢の緊張状態を望んではいない」と話したそうだ。

ここには数種類の、外交的含意が含まれている。

金正日は去年の8月に出た重病説以後、220日ぶりに初めて外部の人と公式に接見した。その相手が中国共産党の対外連絡部長だった。今年、中国と北朝鮮は外交樹立60周年を迎える。中国と北朝鮮の協力関係は、根本的に党対党の関係である。中国共産党と朝鮮労働党の協力関係は対外連絡部が公式チャンネルになっている。

そうした点から、金正日が王家瑞対外連絡部長を220日ぶりに最初の外部の接見者に選び、これを中朝の公式メディアを通じて報道したことは、「北朝鮮と中国は依然として同志関係」という点を誇示した対外政治的行動といえる。同時に、「私の健康は大丈夫」という事実を中国に確認させたのだ。金正日は「中国との変わらぬ関係」を双方がまず確認することから出発して、国際政治の歩みを再開して、今後の対米関係などに備えようとしているのである。

その次は金正日の発言だ。金正日は、「朝鮮半島の非核化」のために努力していると言いながら、「朝鮮半島情勢の緊張状態を望んでいない」と言ったという。同時に、中国が6カ国協議の議長国として建設的な役割を発揮してきたことを祝賀し、「中国と一緒に調和と協助を成して、6カ国協議をこれからも進展させて行かなければならない」と言ったそうだ。

この発言が対話のどのような脈絡から出たのかは分からないが、その内容は米、日と韓国を狙ったものだ。金正日が言う「朝鮮半島の非核化」は、北朝鮮の核がCVID(完全かつ検証可能で後戻りできない)方法で廃棄されれば達成されるものではなく、「朝鮮半島の非核化」を形式的な論理にして、実際には核保有国と認められて、アメリカと関係改善をしようということである。韓・米・日・中が使っている「朝鮮半島の非核化」と、北朝鮮が使う「朝鮮半島の非核化」という言葉は、発音は同じだが内容は完全に違う。

金正日は「朝鮮半島情勢の緊張状態は望んでいない」と言ったが、「北朝鮮の核問題を口実にして、アメリカが我々(北)を更に圧迫すれば、朝鮮半島で緊張を醸成する」というのが本音である。これがこの17年間、核問題で見せてくれた、一貫した「北朝鮮式話法」だ。

北朝鮮は1994年のクリントン政府の時に、ジュネーブ合意を成功させて、軽水炉2基と重油を手に入れた。そうして、密かに核開発を続けた。ブッシュ政府の時には不利な条件で核実験を強行して、「核保有国」を主張し始めた。それでは、金正日がオバマ政府の時代に追求する路線は何だろうか。それは「核保有国の地位の認定」と、「朝鮮半島の平和体制」だと筆者は考えている。

つまり、「我々は現実に核兵器を持っているのだから、好きでも嫌いでも我々を核保有国と認めてくれて、そうした条件でアメリカは我々と朝鮮半島の平和体制を本格的に進めよう」と出て来ると思われる。「朝鮮半島の平和体制」とはすなわち、アメリカとの間で戦争終息の署名をし、在韓米軍を撤収させ、修交することなどを意味するのである。(続く)