だが結局のところ、特別法をめぐる攻防は政府与党に押し切られる形となり、遺族の望む「聖域なき捜査」は遠のいた。韓国はこのまま復活することなく、国ごと沈んでしまうのだろうか。
「遺族も私たちも、真相解明が短期間でできるとは考えていません。韓国では子育ての環境が厳しいために少子化が進み、事故で犠牲になった高校生にも一人っ子が多かった。その親御さんたちは、『子供の進学や結婚のために使うはずだったおカネを、これからは真相解明のために使っていく』と決意しているんです」
権力や無理解な人々の圧力に屈することなく、遺族らがいつか真実をつかみ取ることを願いたい。
※週刊大衆2014年12月15日号に掲載された記事に加筆・修正したものです。