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今年の北朝鮮の食糧生産量が「苦難の行軍」以後、最大値を記録したという消息が伝わっているが、最近、住民たちの間では金正日の誕生日である2月16日には、「食糧の配給が正常になるだろう」といううわさが広まっているという。

10日にデイリー NKと通話した北朝鮮の両江道の消息筋は、「(金正日の誕生日である)2月16日に、食糧の供給を正常にするといううわさが出回っている」と述べ、「一部では旧暦の正月から配給をくれるといううわさまで流れている」と伝えた。

北朝鮮の咸鏡北道の内部消息筋もこれに対して、「去年の12月26日から3日間、全国的に実施された『主体農法の講習』でそのように言われた」と述べ、「だがみんな、『豆でみそを作ると言われても、もう信じない』と露骨に言っている」と証言した。

北朝鮮は「苦難の行軍」の時期である1996年から、工場や企業所ごとに国家の農耕地を与えて、自給自足で食糧問題を解決させる措置を取ってきた。また、秋になると工場ごとに周辺の農場に「農村支援」に出かけ、該当の農場で一定量の配給をもらってこさせる形で、食糧問題を解決しようとした。

消息筋によれば、今年も「農村支援」に行った都市の労働者や国家公務員、権力機関の職員が平均4ヶ月以上、軍の場合は地域別に収穫量が多かった所で6~8ヶ月分の配給をもらったという。だが、こうして配給された食糧も自分で農村から運んで来なければならないため、輸送費やガソリンの費用をすべて除いたら、実際に配給される量は国家が供給したと記録されている量の半分にもならないという。

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消息筋は「(両江道の)恵山市では、去年の10月から計算して4ヵ月分の配給としてジャガイモをくれた」と述べ、「国が『もっと運んで食べられる企業所は、運んで食べなさい』と言ったが、ガソリンの値段や車の手数料を全部引いたら残りはいくらもないから、食べなさいと言っても食べることができない」と話した。

また、「去年10月に平均4ヶ月分の食糧をくれたので、それに続いて2月から配給をくれるということだ」と言い、「配給をくれるとしても、『春の端境期』と言われる2月中旬から5月末までだろう」と予想した。

更に、「国家が配給をくれると言っても、農民たちはもらうことができないだろう」とも言い、「農民たちは自分たちが耕した所から分配を受けるから、多くても少なくても一度もらったら終り」と強調した。

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消息筋によれば、北朝鮮は今年、農村の住民にもある程度の量を分配したそうだ。黄海南北道や平安南道の農村では、殻のついた稲が600キロずつ配給されたが、これは水分の減耗を計算しておよそ400キロになるという。だが、慈江道や咸鏡道ではあまり収穫がなかったため、稲が300キロ程度、その他とうもろこしなどを全て合わせて200キロ程度もらった農場も多いという。

消息筋は最後に、「配給をくれれば会社員は暮らしがよくなるが、農民はどうせそんなものだ」と言い、「『配給をくれる2月から市場を完全に農民市場に替える』といううわさが広まり、みんな『配給を混ぜて食べない方がずっとまし』と不安そうだ」と言い、ため息をついた。

北朝鮮は昨年末に「新年から市場を農民市場に切り替える」と公布し、今年の「共同社説」でも社会主義経済の管理体系を一層強化しなければならないと力説した。だがこうした統制を施行するには、最低限住民たちに食糧を配給しなければならない。そのため、去年食糧の生産量が増えたため、北朝鮮政府が国家の配給制を復活させて、市場を含めた社会全般に対する統制を強化するのではないかという分析が出ている。