韓国・大統領府は「国家のアイデンティティーを侵害する動きが非常に幅広くて根強い」という２２日の李明博大統領の発言について大統領府のイ・ドンガン報道官は「韓国の憲法の価値に反することがよく起きてきたことを指摘した」と説明した。

李大統領は２２日に開かれた大統領選挙キャンプの職柏ｭ策本部の関係者たちとの非公開晩餐会で「こうした国のアイデンティティーの問題はこの１０年間で起きたものだと思われる。自由民主主義の国ではあり得ないことがたくさん起きている。できることから一つずつ是正していくべきだ」と話した。

李大統領のこのような発言は１０年間の左派政権の下で一部の急進左派勢力が社会のいたるところに浸透し、国の正当性を無視する事態が生じ、国の権威も激しく揺れてしまったという認識によるものだと見られる。

特に一部で広まっている政府高官の人事異動説や臨時国会に係留中である社会秩序の確立関する法律などを考慮しての発言ではないかという解釈もある。

イ報道官は２３日の定例記者会見で「韓国のアイデンティティーというのは韓国の正当性、自由民主主義の基本秩序、市場経済ではないか。韓国の憲法の価値に反することがよく起きている」と強調した。

国のアイデンティティーが侵害された事例として、「韓国の現代史は世界の歴史の中で最も成功した歴史にもかかわらず、恥の歴史として認識されている一方、北朝鮮に対したは内在的な接近という論理を立てて、偏向した歴史観を子供に教えている。反米・親北・反市場的な内容を子供に詰め込んでいる」と挙げた。

最も深刻なのは自由民主主義の秩序を維持するために暴力デモを防ごうとする警察に行われた暴力やテロを人権侵害という偏向した観点で見ていることだと指摘した。

国のアイデンティティーを確立させるための具体的な内容については「偏向した歴史教科書を中立させることだ。それ以外にも法治が尊重される社会というのも一例として言える」と答えた。

これまで李大統領は２２日の「国家のアイデンティティー」のような発言を何回かしたことがあるという。特に、ハンナラ党の人と会うと、普段の考えなどを話すこともあるという。