[以下は北朝鮮内部の幹部との通話の内容]

- 北朝鮮は開城工団でかなり稼いでいる。それなのに北側が「閉鎖する」と圧迫するのは、よく理解できない。

「理解できないのはあなた方だ。できる、できないがあるだろうか。私たちは解体しようと思ったら解体する。今、ここ（北朝鮮）では明日にも戦争が起きるかのように宣伝している。「李明博になってからずっと情勢を緊張させている」、「米帝と南朝鮮の傀儡が、毎日のように新しい戦争挑発策動にしがみつき、戦争の火種を起こそうとしている」と学習、講演会、人民班の会議でずっと騷いでいるので、みんなも南朝鮮の新しい政権が情勢を緊張させていると思い、情勢が緊張するというから不安を感じている。

物騷なうわさがどれくらい多いのか知っているか。「米帝と南朝鮮の傀儡が我が国（北朝鮮）を干上がらせて殺すために、中国から食糧を大々的に買い受けて、米の価格が上がっている」、「アメリカと南朝鮮が北朝鮮に米を与えないようにと圧力をかけて、中国が米をくれない」、「戦争が起これば国境を通じて我々の内部を破壊する任務を受けて、（中国の)延辺と沈陽に特殊訓練を受けた傀儡軍（国軍)1個旅団が入って来る」など、ありとあらゆるうわさが流れている。

そんな時に、（北朝鮮の）新聞や放送で「南朝鮮の傀儡が侵略の準備に熱を上げているため、我々も断固たる措置を取る」と騷いだら、みんなどうして信じないだろうか。開城工団を無くす、無くすことができないと言うが、それがどれだけ大きな事業なのか分からないが、我々は情勢がよくない時、それ以上の核実験までした。

我々が核実験をするようになったのは、アメリカが我々の核を口実に資金源を締めて、抜け穴を用意してくれなかったからだ。我々が当時、本当に戦争をすると思って核実験をしたというのか。我々はただ、核と我々（北朝鮮）に対する制裁と交換しようとしただけだった。実際、核実験をする時、我々はそれが我々の最後の核活動だと考えた。

核実験をして一番恐れたことは、アメリカが即刻行動に出ることで、次は中国と日本が反発することだった。アメリカがすぐにでも核空母を朝鮮に差し向けて、戦争を引き起こすことを恐れた。そして、日本の極右反動が、北朝鮮が核を保有したから自分たちも核を保有すると出ることだ。おそらく、当時日本が核を保有すると言っていたら、それが南朝鮮と台湾に広まってそのようになれば、中国が我々をそっとしておかないと思った。

そのような事態に備えて、我々は情勢が極端に進む場合、核実験の場所を外国の人たちに参観させて、核実験を中断するということを宣布しようとした。代わりに、南朝鮮が寧辺の原子炉を作り続け、アメリカが我々の資金を解いてくれることを条件にしようとした。だが、事は我々にとって有利に逆転し、そのような事は起こらなかった。

核実験までしたのに比べれば、現在の開城工団に関する状況は何でもない。我々の幹部たちは「南朝鮮は急き立てれば搾り取れる」と認識している。以前、中央党にいる人が下った時、「南朝鮮の子たちは、我々の手の平の上で遊んでいる」と誇らしく言っているのを聞いたことがある。情勢がどのように回るのかが問題ではない。我々が解体しようとすればすることになる」

- 将軍様の病状については何も聞いていないか?

“それは道の党責任書記も知らない。だが、脳出血といううわさは随分流れている。今は随分多くの幹部が、将軍様が病んでいるということはみんな知っているから… 以前会議に参加したが、そこで（道の党の)組職部長が、「最近、将軍様の健康が良くないといううわさも流れているが、このような時であるほど、我々が仕事をもっと一生懸命しなければならないのではないか。死ぬ覚悟で、10倍、20倍の仕事で成果を出さなければならない」と言った。

上で幹部たちが、将軍様の健康がよくないと、時折話している。だが、彼らも漠然と病気だと知っているだけであって、どのくらい病んでどのような病気なのかは具体的に知らない」

- 北には本当に核を放棄する意思がないのか?

“そうだなあ、私が将軍様ならば分かるけれど…情勢によって変わるだろう…一旦作ったら、完全に放棄するというのは話にならないと思う。おそらく、いくつかは隠しておくだろう…」

- 今後の国内外の情勢をどのように見ているか?

「楽観的だ。今、内部的にアメリカと李明博政権の悪口を随分言っているが、（上では）情勢は我々にとって、非常に楽観的に流れると言っている」

- 情勢が楽観的だと言いながら、どうしてしきりに南北関係を緊張させるのか?

「それは私たちだけを咎めるのではなく、そちら（韓国）で何か間違ったことがあるから、そうなのだろう」

- 北朝鮮の核を完全に放棄させるには、どのような方法が必要か?

「簡単だ。日本が核を保有すればよい。今我々がアメリカや中国を恐れていると思っているのか。アメリカや中国はひとまず鎮めておいているようなものだ。問題は日本だ。日本との関係が間違って、そいつらが我々の核を口実に自分たちも核兵器や大陸間弾道ミサイルを作ると言えば、おそらくその時は我々が中国やソ連（ロシア)に死ぬ覚悟をしなければならない。日本の核武装を阻むために、我々に圧力をかけるのは知れている。

内部で核実験をした後、我々が日本に対して軍事的な発言を慎んでいるが、その原因がそこにあるという話を聞いた」

- 金正日国防委員長の政治を支持するか?

「（しばらく間があり)我々（道の党)の責任書記はよいと言うだろうか。今、好きで従う人がどれくらいいるだろうか」