「面白いコンテンツがほしい」W杯を無断放送した金正恩の”欲求不満”

北朝鮮当局は韓流の視聴を重罪として厳しく摘発し、場合によっては極刑(銃殺刑)まで科す一方、自国の映像作品だけでは住民の関心を引き留められないという現実にも直面している。

(参考記事:北朝鮮の15歳少女「見せしめ強制体験」の生々しい場面

言い換えれば、韓流が北朝鮮社会に浸透した理由は、密輸ルートの存在だけではない。「面白いコンテンツ」を体制が十分に供給できなかったことも大きい。人は禁じられているから見るのではなく、「見たい」と思うから危険を冒してでも見るのである。

ワールドカップは政治色が比較的薄く、世界中が熱狂する娯楽コンテンツだ。放送しなければ住民の不満を招き、放送すれば国際的な権利侵害となる。金正恩政権はその板挟みの中で、後者を選択したことになる。

もちろん、知的財産権を軽視する姿勢が正当化される余地はない。