「面白いコンテンツがほしい」W杯を無断放送した金正恩の”欲求不満”
ところが2023年の女子ワールドカップでは、正規の権利を取得しないまま試合を放送したとされる。これを受けてFIFAは警告を発し、2026年大会では従来の特例的な取り扱いを見直したと伝えられている。それでも今回、北朝鮮は再び無断放送に踏み切った。意図的な権利侵害だったとみるほかない。
それでも興味深いのは、北朝鮮がリスクを承知で放送した理由である。そこには、国民の娯楽への欲求を無視できなくなった金正恩政権の事情が透けて見える。かつての北朝鮮映画やドラマは、革命史や抗日闘争、英雄的人物を描く教条的な作品が大半だった。しかし近年は、家族や職場の人間関係など日常生活を織り込んだ、比較的現実味のある作品も増えている。もちろん結末は党や指導者を称賛する内容に収束するが、それでも「見てもらえる作品」を意識した演出への変化は明らかだ。
(参考記事:「正恩が毎夜あんなモノばかり…」言ってしまった叔父の悲惨な末路)
場合によっては銃殺
その背景には、韓国ドラマなど海外コンテンツの浸透がある。
