パイロットを送って欲しい

とくに北朝鮮は、自国を取り巻く情勢に頭を悩ませていた。結束して自国を守ってくれるべきソ連と中国の間で、1950年代後半から対立が激化。反目する両国の間でバランスを取るのに苦心していたのだ。

そこで北朝鮮が注目したのが、ベトナム戦争だった。

1964年8月のトンキン湾事件から米国が直接参戦するようになったことを受け、中ソは反目しながらも、北ベトナム支援ではある程度協力していた。北朝鮮はそこに自国も加わることで、中ソ両国との友好関係を維持しようとしたのだ。