北朝鮮は学生が14歳以上になると「赤色青年近衛隊」に義務的に加入させる。高校4年(韓国の高校1年)以上の学生は、冬になると体育授業の一環としてスキーをする。しかしスキー場ではなく普通の山や丘などでスキーをする。
学生は夏の軍事体育では手榴弾投下、障害物克服などの種目で成績チェックが行われ、冬はスキーとスケートで成績が評価される。北朝鮮教育当局は「我が国(北朝鮮)は全体面積の75%以上が山で構成されているため、スキーをするには場所の制約がない。特にスキーは有事の際、通信手段として活用できるよう誰もが熟練していなければならない」と強調している。
このように北朝鮮当局は90年代以降、毎年学生に「白頭山へのスキー行軍」という名目で学生に冬のスキーを強要していると脱北者らは伝える。
北朝鮮はマシクリョンスキー場を利用する青少年の姿を写した写真などを通し、金正恩の「後代愛、人民愛」に対するプロパガンダを展開しているが、無謀なスキー訓練の強要により若い学生が被害を受けるのではと脱北者らは指摘する。実際「忠誠」を強要する北当局の宣伝・扇動で学生と住民の被害が増えているという。
これについて両江道出身の某女性脱北者は26日、デイリーNKに「中学校の時から当局の指示でスキーを始めた。装備があるわけでもないため大小の事故が至る所で発生した。スキー場でない傾斜が急な斜面でスキーをしたために、速度調節ができず木にぶつかり死亡した学生もいた」と証言した。