朝鮮中央通信によれば、金正恩総書記は10日の中国の王毅外交部長との会談で、対中国関係を「最優先的に重視」とまで踏み込み、中国の対内外政策への全面支持を表明した。特に台湾問題での「一つの中国」原則や多極世界構想への支持は、単なる外交辞令を超えた政治的メッセージと受け止められている。

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この急速な姿勢転換の背景には、現実的な制約がある。北朝鮮にとって中国は依然として最大の貿易相手であり、エネルギー供給や外貨獲得の面でも不可欠な存在だ。関係悪化が長期化すれば、制裁下の経済は一層圧迫され、体制維持そのものに影響しかねない。

さらに、来月に予定される米中首脳会談も見逃せない。中国にとって北朝鮮は対米戦略のカードであり、北朝鮮側も中国の後ろ盾を誇示することで交渉上の立場を補強できる。双方の利害が一致する中で、「冷却」から「再接近」への流れが一気に進んだとみられる。

もっとも、表面的な蜜月の裏に緊張が残る可能性は否定できない。