【現場からの証言:ドローン・キラーの告白】
「レーダーがないことは、この任務において必ずしも弱点ではない」
そう語るのは、CENTCOM管轄下でAPKWS IIを装備したA-10を駆る、米空軍第124戦闘航空団のパイロット、通称『スレッジ』少佐だ。「F-35のような最新鋭機は、高速すぎて小さなドローンを視界に捉え続けるのが難しい。だが、我々のウォートホッグ(A-10の愛称)なら、標的と同じような低速で背後に貼り付くことができる。ターゲットポッドの赤外線画像に、熱を発する小さな点が映し出された瞬間、それが獲物だと確信するんだ」
彼が語るドローン迎撃の瞬間は、ハイテク戦のイメージとは程遠い、極めて「泥臭い」ものだ。
「APKWS II(レーザー誘導ロケット弾)を選択し、レーザーを照射する。トリガーを引くと、翼の下から白煙とともにロケットが飛び出していく。サイドワインダー(空対空ミサイル)のような派手な加速はないが、じりじりと、確実にドローンへと吸い込まれていく。直撃の瞬間、モニター越しに火球が見える。1発数万ドルのロケットで、同程度の価値の自爆ドローンを仕留める。これこそが、納税者にとっても現場の兵士にとっても『正しい戦争』の形だ」
少佐は、30mmガトリング砲の残弾を確認しながらこう結んだ。
「空軍上層部は我々を『博物館送り』にしたがっているようだが、今夜もイラン製のドローンが飛んでくるなら、誰がそれを止めるのか? F-22か? いや、我々A-10の出番だ。この古い機体と、新しい精密な『槍(APKWS)』の組み合わせこそが、今この瞬間、地上部隊を救っているんだ」
湾岸の「狼」を狩る「空飛ぶ戦車」:A-10とAPKWS II、対イラン高速艇戦術の全貌
ホルムズ海峡の緊張が極限に達するなか、アメリカ中央軍(CENTCOM)が最も警戒しているのは、イラン革命防衛軍(IRGC)海軍が得意とする「スウォーム(群れ)戦術」だ。数百隻に及ぶ小型高速艇が、ミサイルや自爆ドローンを搭載して米海軍の大型艦艇に一斉に襲いかかるこの脅威に対し、A-10「サンダーボルトII」が最強のカウンター兵器として再定義されている。
「飽和攻撃」を無力化するコストと弾数
イランの高速艇戦術の要諦は、安価なボートを大量に投入し、米軍の高価な迎撃ミサイルを「弾切れ」に追い込むことにある。1発数億円の「スタンダード」ミサイルで、数百万円のボートを撃墜し続けるのは戦略的敗北を意味する。
