北朝鮮国営の朝鮮中央通信は12日、金正恩総書記が前日に重要軍需工場を視察したと報じ、正恩氏や娘のジュエ氏が拳銃を試射する写真を公開した。「ミリオタ」として知られる金正恩氏は銃器類が大好きなようで、自ら撃つ写真や動画を頻繁に公開したり、側近らに特別なデザインの拳銃を贈ったりしている。

ところで、金正恩氏が一度だけ、拳銃を向けられたことがあるとの説がある。そんな大胆な行動を取ったのは、彼の叔母である金慶喜(キム・ギョンヒ)氏だという。

金慶喜氏は金正日総書記の妹であり、朝鮮労働党の要職も歴任した実力者だった。現在で言うなら、金与正(キム・ヨジョン)党総務部長と似たポジションだ。

しかし2013年、彼女の夫で一時は北朝鮮ナンバー2とも言われた張成沢(チャン・ソンテク)元党行政部長が、正恩氏により処刑されてしまう。(参考記事:【写真】北朝鮮の「清純派女優」はこうして金正恩に抹殺された

韓国の情報機関・国家情報院の次長や大統領補佐官を歴任した羅鍾一(ラ・ジョンイル)氏の著書『張成沢の道』によれば、金慶喜氏はこの頃、病と麻薬、アルコールによって心身を蝕まれ、もはや夫を窮地から救い出すだけの能力を持ち合わせていなかったという。

しかし同著は、張成沢氏の処刑を報告に訪れた金正恩氏に対し、金慶喜氏がピストルの銃口を向けたというエピソードも紹介している。ピストルは即座に取り上げられ、大事には至らなかったというが、金正恩氏はほうほうの体で逃げ出したという。

金慶喜氏と張成沢氏は大恋愛の末にゴールインしたことで知られているが、金慶喜氏の胸中には最後まで、夫への想いが残っていたということだろうか。