IUD(子宮内避妊具)が主流だった北朝鮮では、就職や軍入隊前に施術されることが多く、10代のうちから避妊への関心が高まっている。しかし情報不足や社会的偏見から、副作用があっても病院に行けず、一人で耐える若者も多い。

国際的人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)の調査に応じた、脱北した女性教師は、北朝鮮における女性の地位の低さを嘆く一方で、性暴力の被害女性についてはこんなことを言い放った。

「レイプされたのは、女が愛嬌を振りまいていたからだ」

(参考記事:実は「性暴力の天国」だった金正恩の「革命の聖地」

安全な避妊薬が入手できず、知識も乏しいまま使用が広がる状況は、出産奨励政策と矛盾し、長期的には北朝鮮社会の出生構造そのものを揺るがしかねない。今、女性たちの命と健康が見過ごされようとしている。