保衛員たちはまた、該当地域の人民班長(町内会長)に対して「逮捕された4人と親しかった隣人たちの動向を厳密に監視せよ」との指示を出したという。
一方、情報筋によると、4人が乗って海に出た木造船は保衛局に押収され、「国家海洋資産」として登録された。道保衛局傘下の海岸警備担当部門はこの船を「反動的脱北企図の教訓資料」として教育・宣伝に活用する予定だという。
さらに、彼らの家と財産は没収され、家は花台郡に住む「栄誉軍人(戦傷軍人)」の夫婦にすぐさま割り当てられた。現在、道人民委員会(道庁)の都市管理課が住宅の修繕手続きを進めており、この夫婦は6月初旬に入居する予定だと通知を受けたという。
こうした中、脱北を試みて捕まった人のいとこが、「親戚が使っていた物を取りに来た」と主張し、窓を壊して家に侵入し、近隣住民の通報で安全部(警察署)に逮捕される事件も発生した。このいとこは道安全局(県警本部)に移送され、無断侵入および国家資産略奪の容疑で捜査を受けているという。侵入の詳しい目的は不明のままだ。
事件の発生を受けて、道保衛局は該当地域に通達文を出し、「国家が没収した資産はもはや個人の所有ではなく国家の財産である。反逆者が使っていた物の一つでも手を出す行為は、国家反逆への同調行為と見なす」と警告した。
(参考記事:北朝鮮幹部、禁断の発言で一家全員「緩慢な処刑」に)また、道内の各水産事業所には「操業船および個人所有の木造船に対する検閲(監査)強化および出航統制」の指示も出されたとのことだ。
