情報筋によれば、このような取り締まりは通常、1週間から10日ほど行われ、その後は緩和されることが多かったとし、一定期間が過ぎれば、再び密輸が活発になると見ている。

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金正恩総書記は、民間人による密輸など違法行為が横行している両江道を最も問題視し、他の地域より貿易再開を遅らせた。国がすべての貿易を司る「国家唯一貿易体制」を確立させてから貿易を再開させる目論見があったようで、「国家密輸」はその完成形と言えよう。

しかし、上述の通りその「国家密輸」に携わる関係者が、国の許可していない物品の密輸を行うなど、コロナ前の状況に戻りつつあるのかもしれない。

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金正恩氏は、なしくずし的な「市場主義経済化」を強権で押さえつけ、時代遅れの「中央集権的な計画経済」に戻すことを諦めていないようだ。しかし、そのあおりで依然として耐乏生活を強いられている国民の不満は非常に大きい。