問題はさらにある。

北朝鮮で新築住宅は、内装工事がされていない状態で入居者に引き渡されるのが一般的だ。入居者は、壁紙を貼ったり、リノリウムを敷いたり、自費で行うことが求められるが、ギリギリの生活をしている人にそんな余裕はない。入居したら最後、むき出しのコンクリートの上で寝泊まりして、寒さに震えなければならないのだ。

そのような理由で、新しい住宅への入居を拒否する人が多い。それで、強制入居が中止された。現地の事情を無視した政策は、誰も住まない新築幽霊マンションを量産する結果を生んでしまったのだ。