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幹部向けに特別編集された、その名も「肉談集」(文学芸術総合出版社)という本すら出版された。これら肉談集には、主に朝鮮王朝時代の両班(貴族)や役人、芸妓の性行為を描いた短めのエピソードが多数収録されている。辞書ほどの厚さのエロ小説で、当時の韓国の基準でもわいせつ物に当たるほどの代物だった。2000年には中央放送委員会の男女のアナウンサーが録音した肉談テープまで作られた。読んで聞かせたいポルノといったところだろう。

大飢饉「苦難の行軍」で一般人民が飢えに苦しみ、国内の治安も乱れに乱れていたころ、幹部連中はエロ三昧だったというわけだ。金日成主席の存命時には決して許されなかったことだろう。そんな大々的に出回るようになったのは、名勝でガイドのエロ解説を聞いて爆笑するような、金正日氏の趣向によるものだ。それが、最高指導者の意向には絶対に従うという北朝鮮の政治風土で増幅された結果と言えよう。

(参考記事:強盗を裁判抜きで銃殺する金正日流の治安対策

幹部向けのエロ小説スペシャルエディション

北朝鮮史上初めて、性的な表現が公の場に現れたのは、ミュージックビデオだった。「朝も好き、夕方も好き」、「娘時代」, 「オンヘよ」などの生活歌謡に合わせて、ビキニを着た女性たちが踊るというもので、主に旺載山(ワンジェサン)軽音楽団のメンバーや、放送演劇団の俳優が出演していた。

だが、いつしかそれらも姿を消した。海外で作られたポルノビデオが流入するようになったからだ。多くが中国製で、1997年頃から密輸業者の手で持ち込まれ、軍や政権の幹部が最大の顧客層だった。

ポルノビデオが保存されたCDのレンタル料は、1時間で1500北朝鮮ウォンから2000北朝鮮ウォン。中学生が、お金を出し合って見るのが流行している。当局は取り締まりを行っているが、「肉談まみれ」になっている幹部が、若者のちょっとした楽しみを取り締まっているわけだ。

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脱北者たちは、韓国企業の女性モデルのパッケージを咎めた北朝鮮当局が、どれだけ矛盾したことをやっているのか、よくわかっているのだ。

(ムン・ソンフィ記者、慈江道出身、2006年韓国に入国)

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