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また、感想文に「資本主義に毒された中国を見て、偉大なるわが祖国(北朝鮮)がいかに素晴らしいかを知った」などと言った模範解答を書かなかったことが、逆に功を奏したのかもしれない。それすら書けないほどの教育レベルの田舎の若者が、計画的に脱北して韓国を目指すなどと言った大それたことはしないだろうと判断された可能性も考えられる。

実家に戻るに当たって2人は、「中国で見たすべてのことは心のなかにしまっておけ」と、いっさい口外しないように保衛部から警告を受けた。だが、この話はあっという間に広がってしまったようだ。

その話を聞いて、「一度でいいから見てみたい」と思った人もいるだろうが、新義州を含む国境地帯は、特別な許可がなければ立ち入ることができない。北朝鮮のほとんどの人にとって、国境の向こうの光を見るのは、外国に行くのと同様に困難なことなのだ。