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北朝鮮当局が、凶悪犯罪が続発していると警告する映像を国民らに公開し、治安改善を図っていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

映像を見た住民はRFAに対し、「映像には15歳未満の学生が殺人、強盗、強姦行為に加担した事件の内容もあった」と伝えました。さらに、「青少年や学生らの間で発生した犯罪は全て両親が共に法的処罰を受けたという点が強調された」と付け加えた。

また別の住民は「全国でどれだけ多くの殺人や強盗、性犯罪が発生しているのか具体的に明らかにした」「あの映像を見ると、果たして我々の社会が、毎日テレビで宣伝している社会主義社会の体裁を保っているのか疑わしい」と説明した。

振り返ってみると、北朝鮮当局はここ数年、未成年による違法行為に手を焼いていることがわかる。

RFAによると、両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市では2022年10月に、高校生3人が公開処刑されている。このニュースが出た当時は、処刑された3人のうち2人の罪状が「韓流コンテンツやアダルトビデオを流布した」というものだったことが注目され、継母を殺害したとされるもうひとりには関心が向かなかった。

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しかし、仮に殺人が事実だったとしても、高校生を公開処刑するとはよほどのことだ。今思えばこれも、未成年による犯罪多発を恐怖で抑え込もうという意図があったのかもしれない。

もっとも、北朝鮮当局が凶悪犯罪と同じくらい、いや、それ以上に韓流のまん延を警戒しているのは事実だ。

2021年5月、南浦(ナムポ)市で「韓国映画を見た」として逮捕された高校生の男女6人は、極刑にこそならなかったものの、取り調べの段階から相当ひどい仕打ちを受けていた。デイリーNKの内部情報筋によれば、公開裁判の法廷に引き立てられてきた6人は、「顔は骨と皮だけにやつれ、フラフラで立っているのがやっとだった」という。

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だが、こうした極端な取り締まりを何年にもわたって続けているにも関わらず、未成年による違法行為は収まっていないように見られる。ということはつまり、恐怖政治がまったく効いていないということだろう。

その理由は定かでないが、北朝鮮当局はもはや、若者たちを統制する術を失いつつあるのではないだろうか。

(参考記事:「見てはいけない」ボロボロにされた女子大生に北朝鮮国民も衝撃

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しかし実のところ、方法がないわけではない。経済が立ち直ればカネ目当ての強盗は減るだろうし、プロパガンダばかりの放送や映画から脱して韓流よりも素晴らしいエンタテインメントを生み出せば、若者たちは自然とついてくる。

若者たちに言うことを聞かせたいのであれば、本人たちが国家に信頼を寄せるよう、まともな政治を行うしかないのである。