罪が軽いとしても、公開裁判や思想闘争(吊し上げ)にかけられ、様々な人に公の場で批判されて恥をかかされる。
軽い処罰で済まされたことについて、情報筋は次のように説明した。
「元帥様が水害地域を直接訪問して被災者を慰労してから、全国(の党組織や国営メディア)は、元帥様の『以民為天』(民を以て天と為す)を強く宣伝しているため、このような状況で非社会主義(風紀を乱す)犯罪が発生すれば、人民班長(町内会長)や幹部まで批判される可能性が高いからだ」
結局、責任を逃れるために、関係する幹部があえて騒ぎ立てず、処罰を軽くしたということだ。
これは他の地域でも同じようで、売春の取り締まりは形式的にしか行われなくなっている。売春の斡旋業者が、安全部、青年同盟の糾察隊、人民班長などにワイロを掴ませているという理由もある。安全員(警察官)が「取り締まりをするからしばらく来るな」と情報を漏らすこともある。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面「取り締まりをする安全員も、売春組織のボスからカネを受け取り、懐に入れているのに、取り締まりがまともにできようか。国が貧しいから売春で稼ごうとする人は増える一方だ」
生活が苦しいのは安全員とて同じだ。これらすべては、穀物流通を民間から国の手に取り戻そうとする金正恩氏の政策が生み出した生活苦の結果なのだ。