金正恩の愛車をぶっちぎった「ある将軍」の悲惨な末路

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北朝鮮の金正恩総書記は8日と9日、平安北道(ピョンアンプクト)義州(ウィジュ)郡の水害被災地を2日連続で訪問し、「慈愛深き国父」の姿を演出して見せた。

国営の朝鮮中央通信によると、金正恩氏は避難所を訪れて被災民とひざを交えて対話し、「不便な点はないか、食事はどう取っているか、病気にかかった人はいないか」と尋ねながら、「家を離れた生活に不便がないはずはない、少しだけ我慢しよう、これから自然が襲った廃虚の上に素晴らしい地上の楽園を打ち建てて幸せに暮らしてみよう」などと述べたという。

このニュースを目にした北朝鮮国民の中に、金正恩氏の真剣さを「疑わなかった者」はいないだろう。

北朝鮮の災害への耐性の弱さの最大の原因が、民生を犠牲にして核兵器開発に突き進み、さらには自分の家族と取り巻きたちの贅沢三昧に国富を蕩尽してきた金正恩氏の行状にあるのは誰の目にも明らかだからだ。

北朝鮮メディアが公開した被災地訪問時の写真の中にも、それを象徴するようなカットがある。専用列車に設置された演壇の横で手を振る金正恩氏の脇に、メルセデスベンツの最新高級SUV「マイバッハGLS600・4MATICフェイスリフト」が写り込んでいるのだ。

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(参考記事:金正恩氏の「高級ベンツ」を追い越した北朝鮮軍人の悲惨な末路

同社の日本版公式サイトによれば、今年に入って発売されたこの車の値段は3220万円に達する。

だが、未曽有の大災害の現場にこんな車を持ち込む「場違いさ」について、金正恩氏に意見できる者など誰もいなかっただろう。

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同氏の若かりし頃、彼自身が運転する高級ベンツを高速道路で抜き去っただけで抹殺された、ある軍将官の悲惨な末路については、北朝鮮の権力層にいる者ならば少なくとも噂ぐらいは聞いているはずだからだ。

それにしても気になるのは、金正恩氏の「欲望」の強さだ。彼はほかにもベンツやレクサス、ランドローバーなど、数多くの高級愛車を保有していることが知られている。それに加えてさらに、国際社会の制裁監視網をかいくぐって、最新型の高級SUVを手に入れているのだ。

このことは、車であれ兵器であれ、またほかの何であれ、望んだものを手に入れるまでは決してあきらめることのない、金正恩氏の執拗な本性を示唆していると言えるかもしれない。