「ヤギ殺し食べた」金正恩“エリート党員”も空腹限界

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北朝鮮が、全国的に進めている農村での住宅建設。機材が足りず、あっても燃料が不足して使えないため、都会から人を送り込み、人海戦術で進められている。

その中には、朝鮮労働党の党員からなる「党員突撃隊」がいる。都市党員は金正恩体制におけるエリート層だが、あまりにも素行が悪く、鼻つまみ者扱いされている。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

両江道(リャンガンド)の雲興(ウヌン)郡の現地消息筋によると、郡内には様々な地域から党員突撃隊が派遣されているが彼らは基本的な食糧と塩、味噌以外のいっさいの補給を受けていない。

食糧と言っても、量は1食あたり200グラムに過ぎず、中国産のコメとロシア産の麦を半々で混ぜたものだ。それすらも、突撃隊の指揮官が横流ししてしまい、実際に隊員に供給されるのは150グラムに過ぎない。また、味噌は、地元の恵山(ヘサン)基礎食品工場で製造されたものだが、単なる塩の塊に過ぎないという。

空腹に耐えかねた彼らは、食べ物欲しさにあちこちで盗みを働いている。豊西(プンソ)郡に派遣された咸鏡南道(ハムギョンナムド)の党員突撃隊員2人は、白菜を盗んだ罪で労働教化刑(懲役刑)2年、金正淑(キムジョンスク)郡に派遣された慈江道(チャガンド)の隊員4人は、協同農場から盗んだヤギを殺して食べた罪で、うち2人に労働教化刑2年、残りの2人に労働教養隊8カ月の刑が下された。

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当局は厳罰で対応しているが盗みは収まらず、被害があまりにも広範囲に及んでいるため、全容すらつかめていない。警備を強化しても、広大な農場のすべてに監視の目を光らせるのは困難だ。農場の幹部は効果的な対策が立てられず、頭を抱えているという。

派遣先で盗みを働くのは、党員突撃隊員だけではない。災害復旧のために被災地に派遣された朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の兵士も、現場で窃盗を繰り返す。金正恩総書記は激怒し、「盗みを働いた者は銃殺にする」と警告するも、あまり効果はなかったようだ。