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北朝鮮における栄誉軍人(傷痍軍人)については、統計が公表されていないため、どれほどの数が存在するのかはわからない。

ただ、国の重要な建設工事に多くの兵士が動員され、安全装置、装備の不足から労災事故が多発していることから、かなりの数に及ぶことは想像に難くない。なお、北朝鮮が2016年に国連障がい者の権利委員会に提出した報告書によると、全人口2500万人に占める障がい者の割合は5.5%だ。

(参考記事:兵士ら15人「生き埋め」に…金正恩 “残酷ビジネス” の舞台裏

栄誉軍人の中には手足を失った人も少なくないと言われているが、義手・義足を作る工場は咸鏡南道(ハムギョンナムド)の咸興(ハムン)にある咸興栄誉軍人矯正器具工場が国内唯一で、稼働状況が芳しくない。また、制作費も本人負担となるため、多くの人が義手・義足を得られずにいると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)慶源(キョンウォン)の情報筋は、栄誉軍人の義手・義足の不足が切迫していると明らかにした。

情報筋の年下の友人は、軍にいたころに負傷し、義足が必要となり、除隊時に作ってもらった。だが、これの使い勝手が悪く、また修理も中々してもらえないため、不便な生活を強いられている。結局、松葉杖を使用するしかないという。

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勤務中に負傷して足を失った栄誉軍人は、退院と除隊に合わせて義足をもらえることになっているが、体に合わない場合が多い。新しいものを作るには本人が直接、咸興の工場に行かなければならないが、障がいのある身で運行の不確実な列車に乗るのはひと苦労だ。ようやく工場にたどり着いても、費用として50ドル(約7400円)を請求される。

地元の病院を通じて取り寄せることも可能だが、いつ届くかわからないため、結局は咸興の工場を直接訪れる人が多い。貧しい栄誉軍人は、それすらもできない。

(参考記事:北朝鮮「車いす」の障がい者も問答無用の”見せしめショー”

両江道(リャンガンド)白岩(ペガム)の情報筋は、本来なら栄誉軍人が得られる福利厚生は、掛け声だけで実際は何も得られないと指摘する。

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「国が貧しいから、彼らへの待遇も情けないレベルにならざるをえない」(情報筋)

若くして手足を失ったり、下半身が麻痺したりして「特類栄誉軍人」となった若者を見ると胸が痛むという情報筋は、障がいの程度が悪い他の栄誉軍人への待遇はさらに悪いと打ち明けた。

1年に1回支給される薬代はわずか5000北朝鮮ウォン(約85円)に過ぎない。これでは薬はもちろんのこと、コメ1キロすら買えない。

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白岩邑(郡の中心地)に住む25歳の栄誉軍人は、家に戻ってから2年になるが、義足が得られずに不便な生活を強いられている。この問題の解決のために、朝鮮労働党白岩郡委員会を先週訪れたが、正門で門前払いされ、こう抗議したという。

「栄誉軍人を優遇すると言っているのに、こんな扱いか!」

(参考記事:北朝鮮の「栄誉軍人」国からの支援途絶えて餓死寸前