「私の体に触れるな」北朝鮮の女子高生が大人たちに激しく抵抗

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北朝鮮は21日、日米韓の制止を無視して偵察衛星の打ち上げを強行。国営の朝鮮中央通信は、打ち上げは成功し、衛星は周回軌道に進入したと伝えた。

こうした強硬姿勢の背景には、一時は「過去最悪」と言われた食糧難が、改善しつつある状況があるのかもしれない。新型コロナウイルス対策で全面停止されていた貿易が再開されたことに加え、収穫も進んだことからコメ価格が下落し、国内のほとんどの地域で食糧事情が改善していると見られる。

だが、それでも食糧を入手できず、ギリギリの生活を送っている人も少なくない。

農場に動員されて収穫の手伝いさせられた小中高生とて同じだ。動員の帰りにトウモロコシをくすねて帰ろうとする子どもたちが少なくなかったが、その防止方法を巡りトラブルが続発したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋は、9月第3週から甑山(チュンサン)郡の農場でトウモロコシの収穫が始まり、郡内の小中高生が動員され収穫に当たったと伝えた。学校の授業は午前中に終えて、午後1時から7時まで収穫を行った。

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男子生徒は畑で収穫したトウモロコシを背負子で脱穀場まで運び、女子生徒は皮とヒゲをもぎ取って倉庫に入れるという重労働だ。

作業後は、糾察隊に体の隅々をまさぐられて、トウモロコシを隠し持っていないかチェックを受けてようやく帰宅が認められる。そんな現場ではトラブルが続出している。

「巡察隊は、生徒がポケットやスカートの下にトウモロコシを隠し持っていないか調べるために体をまさぐるが、『泥棒扱いするのか!』と巡察隊の手を振り払って喧嘩になることもある」(情報筋)

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平安北道(ピョンアンブクト)龍川(リョンチョン)郡でも状況は同じだった。

現地の農民によると、9月第3週からトウモロコシの収穫が始まり、男子生徒が実をもぎ、女子生徒が麻袋に入れて脱穀場まで運ぶ作業を行った。

帰りには、クラスごとに並んで農場巡察隊のボディチェックを受けるが、そこでトラブルが相次いだ。特に女子生徒が激しく抗議することが多いという。情報筋は、こんな光景を目撃したと語った。

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「高級中学校(高校)2年生の女子が、体をまさぐろうとする巡察隊に、自らポケットを裏返して見せて、『トウモロコシ泥棒じゃないのに、私の体に指一本触れたらタダじゃおかない』と抗議し、後ろに並んでいた女子生徒も一斉に抗議の声を上げ、ボディチェックが止まってしまった」

だが、穀物を守る闘いはそれだけでは終わらない。トウモロコシを盗難から守ろうとして、女子生徒からけちょんけちょんに言われた農民が、今度はトウモロコシを盗む側に回るのだ。

国や郡に持っていかれまいと、農民はトウモロコシを隠したり、トウモロコシを入れた袋に小石を入れたりして、重量を水増しし、その差分を盗むのだ。そうでもしなければ冬を越すための食糧が得られず、借金も返せず、来年使用する肥料なども買えなくなるのである。