「処刑するほどの罪なのか」人権に目覚め始めた北朝鮮国民

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北朝鮮の朝鮮人権研究協会は20日、米国のジュリー・ターナー北朝鮮人権問題担当特使が韓国を訪問したことを受けて報道官談話を出し、「反共和国『人権』謀略騒動を極大化する腹黒い下心をさらけ出した」と反発した。

人体をバラバラに吹き飛ばすような方法で公開処刑を行う国の「人権研究協会」というのも悪いジョークのようだが、この談話は引用するのがはばかられるような罵詈雑言に満ちている。他の国なら、人権の看板を掲げた団体はもちろん、かなりの過激派でもここまでは言わないだろう。

ともあれ、北朝鮮がこうして敏感に反応するのは、このところ連携強化の著しい韓米日が新たな人権包囲網を敷くことを警戒しているからだろうか。

だが、最近はロシアがウクライナで残虐行為を働き、パレスチナでも人道危機が懸念されている。北朝鮮の恐怖政治だけが注目される状況でもない。

むしろ金正恩体制の心配事の種は、国内にあるかもしれない。韓国のデイリーNKや米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の取材によれば、現地の人々は最近、公開処刑に対して反感を表すようになっている。

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たとえば両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)では8月30日、病死した牛など2100頭もの牛を食肉用に売り払ったとして、男女9人が、2万5000人が見守る中で公開処刑された。RFAによると、現地住民は「あんなに残忍に処刑されるとは思わなかった」「病死牛肉を売ったのは、公開処刑されるほどの罪なのか」と語り、特別軍事裁判所の死刑判決に疑問を呈したという。

北朝鮮当局は1990年代の大飢饉「苦難の行軍」に際しても、公開処刑を乱発した。脱北者を通じ、当時の目撃談も数多く伝えられているが、目撃者の感想には怒りとともに、諦念のようなものも色濃くにじんでいた。

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しかし最近伝えられる例においては、怒りがより強く出ており、諦めのようなものはほとんど感じられない。配給制度が崩壊した状況下、国家から自立して生きてきた人々は、自ずと人権意識を高めてきたのかもしれない。

だとすると、国外で北朝鮮の人権問題に対する議論が活発化するのは金正恩体制にとって厄介だ。いくら外部情報の流入を遮断しようとしても、完璧に防ぐのは無理だ。北朝鮮の人権問題に関する海外ニュースが少しずつ国内に伝わり、人々が「学習」してしまうのである。

だから、金正恩体制に変化が期待できないとしても、北朝鮮の人権蹂躙を批判し続けることは、決して無駄ではないと思う。