北朝鮮は8月24日、軍事偵察衛星の打ち上げを試みたが、5月に続きまたもや失敗してしまった。国営の朝鮮中央通信は、同日中にこの事実を伝えたが、朝鮮労働党機関紙・労働新聞など、北朝鮮の一般国民が接することのできるメディアは報じていない。同通信の記事も幹部専用のイントラネットでのみ閲覧が可能だ。
しかし、どこからか「また失敗した」という話が漏れ、国民の間で急速に広がっていると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。
(参考記事:衛星失敗「このへんが限界」…不機嫌さ増す金正恩の危うさ)平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は、前回と異なり、朝鮮中央テレビは8月の衛星打ち上げ失敗について報じていないが、発射場のある鉄山(チョルサン)に住む人なら誰でも知っていると述べた。
地元の人々は西海(黄海)での漁で生計を立てているが、衛星やミサイル発射の失敗時にはそこにも支障が出る。
「今でも山から草を取ってきて、取れたばかりのジャガイモと混ぜて食べているほどなのに、お上は衛星発射ごっこをやりまくっている。そんなカネがあるなら食べ物をくれ」(鉄山の住民)
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面現地の別の情報筋は、鉄山に隣接する塩州(ヨムジュ)の住民の間でも、発射失敗翌日の先月25日の時点で、噂話が囁かれだしたと伝えた。当然のことながら、住民は怒りをあらわにしている。
(参考記事:北朝鮮「骨と皮だけの女性兵士」が走った禁断の行為)
「5月末にも新型偵察衛星を発射したが失敗して、多額のドルを海にぶちまけたが、今度もまたドルを使い果たして衛星を発射し、食糧を買うべき国の財源を空に飛ばしてしまった。考えるだけで頭に来る」(情報筋)
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面中には、「ミサイルや衛星を作るほどカネがいっぱいあるなら、食糧を輸入して飢えている人々に配給すべきなのが最高指導者ではないのか」と、金正恩総書記を批判する人すら現れている。
(参考記事:「正気とは思えない」金正恩のミサイル乱射、国内幹部も批判)