米国が見逃さない、金正恩「高校生銃殺」の衝撃情報

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国連の安全保障理事会が17日、北朝鮮における人権侵害を議論する公開会合を開催する見通しだと伝えられている。

実現すれば、北朝鮮の人権問題に関する公式会合は2017年以来のことだ。常任理事国の中国とロシアは反対姿勢だが、会合の開催手続きを拒否権で止めることはできない。

会合は米国とアルバニア、日本の要請に基づくものだが、水面下で来年から非常任理事国となる韓国と調整があったのは間違いない。韓国の尹錫悦政権は、北朝鮮の人権問題などを担当する統一相に強硬派の金暎浩(キム・ヨンホ)氏を起用するなど、締め付け姿勢を強めている。

韓国政府は3月、脱北者500人余りの証言を基に作成した2023年版の北朝鮮人権報告書を公開した。同政府は北朝鮮人権法が制定された翌年の17年から同報告書を毎年発刊していたが、北朝鮮に融和的だった文在寅前政権は、脱北者の個人情報漏えいの恐れや北朝鮮の反発を理由に非公開としていた。

初めて公開された報告書の内容は衝撃的なものだった。報告書は、北朝鮮では公権力による恣意的な生命のはく奪が存在するとし、「即決処刑」の事例に関する証言が継続して寄せられたと伝えている。殺人などの凶悪犯罪だけでなく、韓国の映像の視聴・流布、宗教・迷信行為など、自由権規約上で死刑になり得ない行為に対して死刑が執行されたとの証言があったとしている。

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(参考記事:北朝鮮の女子高生が「骨と皮だけ」にされた禁断の行為

たとえば2015年には東部の元山で、韓流映像を視聴し、アヘンを使用したとして16~17歳の青少年6人が死刑を宣告されたという。

北朝鮮で、10代の高校生らが韓流がらみで重罰を下された例は少なくない。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は昨年12月3日、北朝鮮の両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市で韓流ドラマや映画などを視聴し、拡散させたとして摘発された高校生ら3人が、10月に公開処刑されていたとする衝撃的な情報を伝えた。

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処刑された3人のうち、2人は韓流コンテンツやアダルトビデオを流布したとして摘発された。もうひとりは継母を殺害したとして逮捕されていたという。

トランプ前政権との蜜月が反転し、米朝が対立を深めている今、米国がこうした「材料」を見逃すはずもない。

中露の反対がある以上、国連安保理が人権問題で北朝鮮に新たな制裁を加えられるわけではないし、加えたところでさほどの意味はない。だが、国際刑事裁判所を動かせれば別だ。

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オランダ・ハーグにあるICC=国際刑事裁判所は3月、ロシアが占領したウクライナの地域から子どもたちを移送したことが国際法上の戦争犯罪にあたるとして、ロシアのプーチン大統領に逮捕状を出している。この件で、ICC加盟国でありロシアも含むBRICS=新興5カ国首脳会議(今月17日)を主催する南アフリカのラマポーザ大統領は苦慮を余儀なくされた。プーチン氏が会議出席のため同国を訪問したら、逮捕すべき義務を負っているからだ。

結局、プーチン氏はオンラインのみでの参加を決めた。金正恩氏よりよほど国際的な影響力が大きいと言えるプーチン氏でさえ、手足を縛られる事態になったのだ。

北朝鮮国内での人権侵害に関する捜査が不可能である以上、ICCがすぐに逮捕状を出す可能性は低いし、仮に出たとしても、北朝鮮の体制に決定的なダメージを与えるわけではない。しかし、まだ若い金正恩氏にとって、自分の未来を縛られることは、かなりのストレスになるものと思われる。