金正恩の合図で「巨漢兵」たちが動く、幹部処刑の生々しい現場

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北朝鮮の内閣鉄道省内の朝鮮労働党委員会は、各地域の鉄道総局および鉄道局に対して、鉄道員の違法行為には厳罰で対処するとの警告を下した。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)によれば、「金正恩総書記の強い意向により出されたもの」だという。

両江道(リャンガンド)の鉄道部門関係者によると、「鉄道従事者たちの不法行為を厳罰に処することについて」というタイトルの鉄道省党委員会の警告文が先月29日、恵山(ヘサン)駅や恵山機関車隊に下された。そこでは具体的に、以下の5つを厳罰の対象とする行為として挙げている。

◆国家に登録された鉄道財産、鉄道で輸送される国家財産に手を付ける行為
◆国家の重要輸送物資と関連した秘密を漏らす行為
◆機関士、車両検査員など鉄道指揮官のサボタージュ
◆鉄道従事者本人と家族の違法な商行為
◆ワイロを受け取り、外部の人員の違法な出入りを幇助する行為

警告が出されるきっかけとなったのは、先月中旬、定州(チョンジュ)から、中国との国境に接する青水(チョンス)に向かう平北線の貨物列車が運行できず、亀城(クソン)で生産された輸出用軍事物資が適時に運べなかったことにあるという。

北朝鮮から中国遼寧省へ向かう路線であるため、ロシアへの弾薬供給とは無関係と思われるが、果たして中国方面にどんな軍事物資を輸出しているのか気になるところではある。

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水豊(スプン)ダム建設に必要な資材を運ぶために1939年に開通したこの路線だが、金日成主席の鉄道電化政策により全線が電化されている。貨物列車が運行できなかった理由について、情報筋は言及していないが、今までの事例を考えると、停電によるものだった可能性が考えられる。

それでも、鉄道従事者たちに抗弁の余地はない。金正恩氏は以前、スッポン養殖工場の支配人を、管理不備を理由に処刑したことがある。

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脱北者で東亜日報記者のチュ・ソンハ氏の報告によれば、同工場では電気が供給されず揚水ポンプが止まり、飼料も供給されなかったため、スッポンの幼体がほとんど死んでしまったという。

これを見とがめた金正恩氏は「おい、お前ら、スッポンが死んでいく間に何をしていた!」と怒鳴りつけた。これに対し、支配人は工場が置かれた窮状を説明したのだが、金正恩氏はこれを抗弁と受け取ったようだ。「何だとこの野郎」といっそう怒り狂ったという。

すると、身長180センチをゆうに超える巨漢の護衛兵たちが両側から支配人の肘を取り、膝の裏側を蹴りつけて膝立ちにさせ、後頭部を抑えつけて身動きの取れない状態にした。そして、金正恩氏は支配人にあらゆる罵詈雑言を浴びせると、「こんなヤツに生きている資格はない」と言い放った。連行された支配人は、即時、処刑されたという。

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つまり、金正恩氏が「生きている資格はない」と言ったことが、実質的な処刑命令だったわけだ。

この支配人処刑のエピソードは、北朝鮮国内で広く知れ渡っている。たとえ電力不足が列車運行に支障を与えているとしても、鉄道従事者たちはそれを強く主張できないだろう。

ただ、价川(ケチョン)鉄道総局の複数の幹部が処罰を受けたとのことであり、職場からの人員の離脱などの現象があったのかもしれない。

鉄道従事者のうち、機関士に対しては軍の指揮官と同量の食糧配給が行われているが、それでも暮らしていけない。それ以外の鉄道従事者はさらに困窮していることは言うまでもない。

そもそも、彼らが鉄道業に従事しているのは、鉄道が好きだからという理由ではなく、違法な商売に手を出したり、輸送される石炭を盗んで横流ししたりすることで、なんとか暮らしていけるからだ。

金正恩氏の指示に逆らっては首が飛びかねない。当分の間、彼らはおとなしくしているだろうが、ほとぼりが冷めれば、様子を見ながら徐々に違法行為を再開すると思われる。