「禁断の書」持っていた北朝鮮女性、それが何かも知らず処刑

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北朝鮮の平安南道(ピョンアンナムド)で「地下教会」の信者ら5人が当局によって逮捕されたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が伝えている。

RFAによれば、逮捕劇があったのは約3カ月前のことだ。道内の順川(スンチョン)市のある民家で深夜に集まり、聖書を読み礼拝を行っていたキリスト教信者ら5人が、急襲した保衛員(秘密警察)らによって逮捕・連行されたという。

5人は家族ではないということで、宗教が禁じられている北朝鮮でどのようにキリスト教が広まり、信者どうしがネットワークを構築していたのか興味深いところだ。だが、逮捕された5人は非常に残酷な運命を辿るものと思われる。

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実際、咸鏡南道(ハムギョンナムド)の新浦(シンポ)では、聖書を持っていただけの女性が処刑される事件が起きている。

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現地のデイリーNK内部情報筋によれば、彼女は特にキリスト教を信仰していたわけではなかった。どこかで手に入れた聖書を、それがどのようなものかも知らないまま、商売用の倉庫に放置していただけだった。それが運悪く近所の住民の目に触れ、当局に密告されてしまったのだ。

さらに運が悪かったのは、潜水艦の建造施設がある新浦は、当局の警戒が非常に厳しいところだということだ。そういった地域の保衛部は往々にして過剰な行動に出がちで、また実績作りのため犯してもいない罪をでっちあげることもある。

この女性も外国と通じたスパイであるとの容疑をかけられて処刑されてしまった。

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ちなみに順川の地下教会も、近隣住民の密告で摘発された。夜な夜な集まりを持つ5人を不審に思って通報。その情報をもとに保衛部が張り込みを行い、礼拝の現場に踏み込んだのだという。

このような場面で密告を行うのは、だいたいが保衛部のスパイだ。反体制の芽を未然に摘みとるため、保衛部は隣近所の様子を監視する協力者を、人民班(町内会)ごとに運用しているとされる。

しかしそこまでしていても、地下教会は生まれては潰され、生まれては潰されを繰り返しているのだ。