部下の妻にも「鬼畜行為」…金正恩”拷問部隊”の隠微な内幕

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北朝鮮には「集結所」と呼ばれる施設がある。居住移転の自由のない北朝鮮では、特別な理由がない限り、住民登録を行った場所から離れることは許されない。それでも行商などの理由で、市や郡の境界線上にある哨所(検問所)でワイロを支払って移動する人もいる。その中には、脱北者も含まれている。

そんな人が摘発され、元の居住地に送り返されるまで、一時的に拘禁される施設がこの「集結所」だが、程度の違いはあれど、教化所(刑務所)などの他の拘禁施設と同様に、人権侵害の温床となっている。

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そんな集結所は、拷問や公開処刑を行う保衛局(秘密警察)の管轄となっているが、所長の収容者に対する人権侵害行為に見て見ぬ振りをできなかった部下が、その罪状を告発。所長には見せしめの重罰が予想されていると、咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

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この所長は、収容された女性を取り調べ名目で呼び出し、性暴力を振るっていた。また、部下やその家族に対する扱いもひどく、セクハラ被害は部下の妻にまで及んでいた。

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さらに、収容者に配給する食糧を横流し。組織生活(思想教育や政治行事への参加)の免除を見返りに、収容者を8.3製品(廃材や副産物を使った生活必需品や食料品)の製造に携わらせ、その利益を搾取していた。

そればかりではない。脱北などの重い罪を犯した収容者の家族から巨額のワイロを受け取り、勝手に軽犯罪扱いにしたり、釈放したりするなど、集結所の帝王よろしく君臨していた。

(参考記事:墓石販売で運営資金を調達する北朝鮮のセメント工場

北朝鮮でこれらの違法行為は、権力を持った人なら誰しもやっていることだ。給料が非現実的に少なく、配給ももらえないことから、そうでもしなければ生きていけないのだ。周囲の人々も共犯者のようなもので、お互い見て見ぬ振りをするのが当たり前だが、それができない真面目な人もいる。

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部下にそんな人物がいたのが運の尽き。集結所長の違法行為を記録した告発状が、上部機関の咸鏡北道保衛局に出され、所長は呼び出され、取り調べを受けることになった。すると、20件あまりの性暴力など、犯罪の数々が明らかになり、家宅捜索まで受けることになった。

保衛局は、被害内容を証言してくれる女性被害者と、犯罪行為の目撃者を探し出し、聞き取り調査を行っている。今のところ、いかなる沙汰が下されるかは不明だが、解任は当然として、重罰は避けられないと見られる。

今回の事件のあおりで、道内の他の集結所の幹部や保衛員に対する調査が行われている。

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この話を聞いた一般住民は「保衛員はどいつもこいつも同じだ」と、保衛員全体を十把一絡げにして批判している。平素から庶民を痛めつけているだけあって、全く同情はしてもらえないようだ。

(参考記事:金正恩「聖地」で報復殺人…恐喝に性暴力も日常茶飯事