「金正恩が狙われている」北朝鮮秘密警察が厳戒態勢

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北朝鮮の国家保衛省が最近、各地方の保衛局に対し、金正恩総書記の身辺安全を保障するための事業に総力を傾けるよう指示を下したという。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、国家保衛省は今月5日「金正恩総書記の身辺安全を完璧に保障することに全力を傾ける原則で保衛事業を組織進行せよ」という内容の指示を各道の保衛局に通知した。

国家保衛省は今回の指示で「最近、革命の首脳部(金正恩氏)を狙った敵の卑劣な謀略策動がますます悪化している」とし、「すべての保衛機関では革命の首脳部を保衛するための闘争対象、力量、方法を確定し、必要な組織的および物質的対策を徹底するように」と強調したという。

国家保衛省は、金正恩体制の恐怖政治を支える存在であると同時に、防諜や破壊工作の実働部隊でもある。

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このような指示を受けて咸鏡北道保衛局は6日、道内の市・郡保衛部に「革命の首脳部を狙って策動するスパイと不純異色分子を見つけ出して逮捕し、我が革命隊伍の純潔性を徹底的に保障しなければならない」という指示を下したとのことだ。

保衛局は特に、国境地域を通じて外部と連絡する対象に対する統制と監視をこれまで以上に強化することを強調したという。

実際に会寧(フェリョン)市保衛部は同日から、中国キャリアの携帯電話の使用が疑われる住民と脱北者家族世帯に対する監視をいっそう強化したというのが情報筋の説明だ。

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情報筋はまた「家族の中に脱北した弟がいる市民は、最後に弟と連絡してから5年以上が経つのに、最近になって職場や自宅の周辺で見慣れない人々が自分を監視していることに気づき、精神的苦痛にさいなまれている」と話した。

さらに続けて、「こうした保衛部の行動を見ると、彼(金正恩氏)の身辺の安全保障というのはつまり、住民をどれだけ細かく監視するかにかかっていると考えているようだ」とし、「結局、たったひとりの身辺の安全のために、数多くの人々が監視され、苦痛の中で生きていかなければならないのだ」と指摘した。

こうした状況の中、個々の保衛員は住民の中に張り巡らされた「密告ネットワーク」を強化し、また報告頻度を上げるために多忙を極めているという。

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ただ、そのような行動は得点稼ぎのための「でっち上げ捜査」につながることは多いものの、国内と外部との情報の行き来などを統制するのにどれだけ有用かは疑問だ。そのことは、いくら摘発キャンペーンを繰り返しても、韓流コンテンツなどの密輸入と流通が根絶されないことが物語っている。