「米国には絶対に勝てない」言ってしまった北朝鮮元軍人の悲惨な運命

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北朝鮮の国家保衛省(秘密警察)が、「戦争恐怖症」を誘発する発言で、国内に不安感を醸成している幹部たちの動向を把握して取り締まるよう指示を下したもようだ。

北朝鮮は9月から今月初めにかけて、前例のない規模で弾道ミサイル発射などの軍事挑発を行った。そのように対外的には強硬路線をアピールしながらも、対内的には保衛機関をして社会の動揺と体制からの離反を防止するために神経を使っているようだ。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は「国家保衛省は今月1日、道保衛局に対し、最近の緊張した情勢下で、市や郡の機関責任幹部らの間で『戦争恐怖症』を誘発するような発言を行うなどの、不穏な動向を把握・対処するための事業対策を徹底することを指示した」と明らかにした。

情報筋によると、国家保衛省のこのような指示は先月中旬、平壌市人民委員会のある幹部が酒席で「不穏な発言」をしたことをきっかけに下された。

この幹部は、30年間にわたり軍で重要な役職を務めてきた軍出身官僚で、軍の戦力について相当に詳しい事情通だったという。

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彼は酒席で「米国の軍事力にかなう国は世界にない」と発言。これが「米国の軍事力を高く評価した」という形で報告され、翌日、家族もろとも姿を消したという。裁判も行われずに姿を消したということは、政治犯収容所に送られた可能性が高い。

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国家保衛省はこの事件をきっかけに、戦争恐怖症を醸成する幹部たちの言動に対する統制と監視を強化するよう指示を下したのだと情報筋は説明した。

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これを受け、咸鏡北道保衛局は直ちに市と郡の保衛部を通じ、地元の党組織や行政機関の主要幹部たちの一挙手一投足を監視する体系を稼働させたと伝えられた。

道保衛局は特に、最近の情勢から逸脱したぜいたくな生活を送ったり、米国の軍事力を「過大評価」しながら部下や住民らの間に恐怖心を拡散させたりする市と郡の主要幹部を徹底的に把握して報告することを求めている。

道内の会寧(フェリョン)市の保衛部でも市の党委員会、人民委員会幹部らの発言を細大漏らさず上部に報告しているという。